CATEGORY人間関係・いじめ・ハラスメント

投影性同一視と心の防衛 : 「決めつけ」の心理構造
怒りの再演と「投影性同一視」 SNSやGoogleレビュー、Xなどで極端に低い評価や否定的なコメントを目にすることがあります。その怒りや断定の裏には、単なる感情の発散だけでなく、心の深層で再生される“過去の怒り”が隠れている場合が…

見えない心理的地図と行動の選択 : ファンが推し活のために並ぶ理由
今回は身近で遭遇した出来事を心理バイアスにあわせて述べていきます。今回取り上げる事例は、男性アイドルグループのコンサートが終わったあとの最寄駅で見かけた事象です。推し活のために行列に並ぶ人たちの心理に迫ります。 見えない心理的“共感…

不機嫌という武器 -不機嫌な人について考える
不機嫌な人の気持ちの裏側、「気付いてほしい」想い 「不機嫌という武器」という表現は、少し物騒にも聞こえますが、私たちの誰もが心当たりのある行動ではないでしょうか。たとえば、朝からなんとなく気分が晴れず、誰かに話しかけられてもそっけな…

企業の人事労務/パワハラを訴える・相談する社員
今回は産業医を兼任している立場から、昨今会社側が遭遇するパワハラ(パワーハラスメント)の「訴え」「相談」について述べます。 実は当初パワハラ(パワーハラスメント)が問題視されたとき、その問題点のそもそもは、パワハラを受ける側に対して…

AC JAPANより学ぶ人間関係 (2)
今回は、前回の「決めつけ依存」と取り上げたAC JAPAN広告の、もう一つの例です。 ▼前編をまだご覧になっていない方はこちらから https://blog.kawasaki-numata.jp/acjapan1/ …

AC JAPANより学ぶ人間関係 (1)
今回と次回は、近頃AC JAPANの広告からです。気付かないうちにやっていること、あるいは世相への喚起などについて、既に先回りして制作しているCMがあることに多少驚きを感じています。 決めつけ刑事(デカ)-利用可能性ヒューリスティク…

パワーハラスメント事例「お局」を解釈する (後)
なぜパワーハラスメント事例「お局」を解釈する (後)お局が生じるのか、それはもちろん「許せない」と感じるからです。そしてここには最低三人の登場人物 (主に女性) が必要となります。そもそもの姉が妹役になれる環境があること、そしてその妹役と…

パワーハラスメント事例「お局」を解釈する (前)
今回はパワーハラスメントの女性同士版、俗にいう「お局」と呼ばれるものを事例としてあげて推敲します。人間関係の病ですから、いつもと同様に「加害者には事情がある」という前提をもって解釈を進めていきます。 パワーハラスメント(パワハラ)を…

神経症の治し方-薬物療法の意味
今回は人間関係におけるトラウマ、依存症、うつ病、パニック障害、身体表現性障害、衝動統制障害など、当院で主に扱っている神経症圏疾患における治し方の一つ、薬物療法の意味と説明を述べます。 神経症を治すための抗うつ薬は「浮き輪」 当…

「取引コスト」と「プロスペクト理論」を簡単に解説(後)
今回の「プロスペクト理論」を簡単に解説記事の後半は、取引コストの高さが、現在や将来の人間関係上にどのように影響するかを示します。キーワードは「また同じことが起こってたまるか」という心理抵抗です。 ▼「取引コスト」と「プロスペクト理論…