27May

はじめに
「めんどくさい人」「気難しい人」と言われる様子が。時に自分自身がそう感じられることもあるかもしれません。でも、私たちはその表面的な態度や反応だけを見て判断してしまいがちです。
このブログでは、私たちがなぜ気難しくなってしまうのか、なぜめんどくさい存在になってしまうのかという背景を見つめ直してみたいと思います。
「気難しさ」や「めんどくささ」は、自己防衛の一つのかたち
たとえば、他人のちょっとした言葉に過剰に反応してしまったり、先回りして拒絶的になるような態度…。こうした態度は「感じが悪い」ととられがちですが、その多くは過去の経験や心の傷に基づく“予防的反応”です。
人は一度深く傷ついた経験があると、二度と同じ痛みを味わわないように防衛的になるものです。
つまり、めんどくささの裏には「また同じように傷つきたくない」という気持ちが隠れている場合が多いのです。
気難しさや過敏さを責めないスタンス
クリニックでも、「あの人は本当に扱いづらい」「何かというと怒る」「文句ばかり言う」と周囲に言われてきた方がいらっしゃいます。
ですが、診察室のなかでは、その過敏な反応が“ただのわがまま”ではないことがよく見えてきます。
大切なのは、「気難しい=悪いこと」と捉えず、その背後にあるパターンや意味を一緒に見ていくこと。
すると、自分自身が自分の反応に振り回されることも減り、周囲との関係も少しずつ変わっていきます。

「反応しない」練習─まずは意味を理解する
「ただ反応するのではなく、その背景にある気持ちに目を向けてみよう」という提案をよくします。
「気難しい人になってしまった自分」に対しても、「あの人、まためんどくさいな」と感じた相手に対しても、いったん立ち止まり、なぜそうなったのかを考える視点を持つこと。
それが、対人関係の中で自分を守りながらも、孤立しすぎずに生きていくヒントになるのです。
おわりに
私たちは、気難しくなったり、めんどくさい言動を取ってしまうことがあります。
でも、それは「性格が悪い」わけでも、「反省が足りない」わけでもありません。
多くの場合、それは過去の経験に根ざした、自分なりの生き抜く工夫だったと考えています。
だからこそ、めんどくさく見える態度に対してすぐに反応せず、「どうしてこんなふうに反応してしまうんだろう?」と一歩踏み込んでみること。
そこから、自分自身や他者との関係が、少しずつやわらかく変わっていくかもしれません。
最後に
川崎市のメンタルクリニック・心療内科・精神科『川崎沼田クリニック』では、さまざまな精神的お悩みをお持ちの方のカウンセリングを行っております。下記HPよりお気軽にお問い合わせください。
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