20Apr

はじめに
引きこもりや依存的な行動は、外から見ると偏りとして問題視されやすいですが、本人にとっては「これ以上悪くならないための守り」として機能している場合があります。本記事では、依存症を防衛として捉える視点と、その原因や回復への道筋について考察します。
引きこもりや依存症の外から見える「偏り」と内側にある「意味」
引きこもりや依存的な状態は、多くの場合「偏った行動」「問題行動」として理解されます。確かに、外から見ればバランスを欠いた状態であり、生活や対人関係を狭めてしまう側面があります。
しかし、その見え方だけで判断してしまうと、本質を見誤ることがあります。実際には、その行動の内側には、その人なりに成り立っている意味や必要性が存在しています。
引きこもりや依存症は「壊れないための守り」である
依存とは単なる欲求の問題ではなく、「それをやっていないと保てない何か」がある状態です。たとえば引きこもりは、「またあの状態になったら困る」という予測の中で成立していることがあります。
過去に崩れた経験や傷ついた記憶がある人ほど、「同じことを繰り返さないために」動かない選択を取ります。依存症も同様に、本来は別の形で扱うべき負担や感情を、一時的に支える役割を持っています。
つまり依存症とは、過去の嫌な経験や記憶が原因となり、「これ以上壊れないための守り」として機能している側面があるのです。

引きこもりや依存症の「守り」が「過剰」に見えてしまう理由
ただし、この守りには逆説があります。守るための行動であるにもかかわらず、結果として生活を狭め、苦しさを長引かせてしまうことがあります。そのため、外からは「過剰で偏っている」と見えてしまいます。
しかし、この過剰さだけを問題として取り除こうとすると、うまくいかないことが多いのです。なぜならその行動が担っている「守りの機能」まで失わせてしまうからです。
引きこもりや依存を治すには「やめる」ではなく「守りながら変える」
重要なのは、依存や引きこもりを単にやめさせることではなく、「何を守っているのか」を理解することです。そのうえで、守りを壊さずに少しずつ広げていくことが回復につながります。
行動を急に変えるのではなく、負担を分散しながら調整していくことで、「また同じになる」という感覚は次第に緩んでいきます。偏って見える行動の中にある意味を丁寧に扱うことが、回復への入り口となるのです。
最後に
川崎市のメンタルクリニック・心療内科・精神科『川崎沼田クリニック』では、さまざまな精神的なお悩みをお持ち方の診察を行っております。下記HPよりお問い合わせください。
https://kawasaki-numata.jp
院長プロフィール
川崎沼田クリニック 院長
日本精神神経学会 専門医
沼田真一
平成12年、秋田大学医学部卒。
同年東北大学医学部精神科に入局後、東北会病院(仙台)嗜癖疾患専門病棟にて併行研修。
平成14年、慶應義塾大学精神科医局に移り、同時に家族機能研究所・さいとうクリニック(東京・港区)で研鑽する。
平成16年、財団法人井之頭病院(東京・三鷹)で、アルコール依存症専門病棟担当医。
平成17年よりはさいとうクリニックで、アルコール依存・摂食障害・DV(虐待)・ひきこもりなど家族問題と精神疾患に従事する傍ら、産業医としての診療や各種のハラスメントなど組織内の人間関係問題に対する相談業務を担う。







