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口コミと“正しさ”の心理 : 投稿に込められた心の構造
今回は“伝える衝動”とその奥にある心のしくみについて述べます。 想像で語る「口コミ」が生まれるとき ある場所に行こうと思ったとき、何かを選ぼうとしたとき、その印象を決める手がかりとして、誰かが残した言葉を探すことは、ごく自然な…

不機嫌に振り回されるあなたへ:心の距離を変えるカウンセリングの力
誰かの不機嫌に振り回されていませんか?その感情の背景と向き合うカウンセリングの可能性について、心療内科の視点からやさしく解説します。 はじめに 日常の中で、理由もなく不機嫌な態度に悩まされた経験はありませんか? それが職…

「勝手にしやがれ」に見る依存症のこころ : 斜に構えるのはなぜか
向き合う怖さと、斜に構える安心 「壁ぎわに寝がえりうって 背中で聞いている やっぱりお前は出て行くんだな」——これは沢田研二さんの代表曲『勝手にしやがれ』の冒頭に登場する印象的なフレーズです。 愛する人が出ていく気配を察知しな…

口コミの本質と、精神科での“こころの試着”という体験について
口コミは「言葉だけ」では伝わらないもの 最近は病院やお店を探すとき、まずネットの口コミを参考にする方が増えています。もちろん、その中に貴重な意見が含まれていることもあります。でも一方で、それが本当に自分にとって参考になるかどうかは、…

“伝える衝動”とその奥にある心のしくみ
今回はいつもよりエッセイのようになりますが、人々がことさら「伝えたくなる衝動」に駆られる様子を利用している現在のSNSなどの通信手段のあり方を、照らし合わせていきたいと思います。 ○ 誰のためでもない「正しさ」が生まれるとき …

パワハラ問題への本質的アプローチ─家族背景を見つめることの重要性 (後)
今回の項の前半はパワハラから始まり、暴走行為など衰退した衝動行為の流れを述べました。時代が事象に適正に距離を取る方向に動いていくことを期待し、現在の問題であるSNS攻撃について発展させます。 パワハラもまた、理解されることで消えてい…

パワハラ問題への本質的アプローチ─家族背景を見つめることの重要性 (前)
今回は最初はパワハラ(パワーハラスメント)を題材として、人間関係の関連性を照らし合わせて述べます。 1. パワハラは単なる個人間トラブルではない 俗に言うパワハラが発生した場合、私たちは表面的な二者関係の問題として処理すること…

うつと依存 :「最悪の回避」として使われる─補完と依存の心理的地図
今回はうつ状態と依存症の流れについて、典型的なアルコール依存症を例にして述べていきます。衝動統制障害は、あくまで火山の噴火の部分に過ぎず、潜んでいるところを見つめていくことになります。 アルコールは「うつの補完」として選ばれる …

「決めつけ癖」【Judgmentalism】は教わった行動
「決めつけ」が悪いことだとは限らない? SNS上では「決めつけ」がしばしば問題になります。「それってあなたの決めつけですよね?」という批判は、一種の定型句のように使われることすらあります。別のブログでも示しましたが、近頃ACジャパン…

依存症はそもそも何の病か?
今回は当院のメインパートの一つである、様々な依存症や衝動行為の立ち位置について考えてみたいと思います。 依存症が依存症として続くのはなぜか? そもそもどういうわけで依存症という言葉になったのでしょう。依存症と言う位ですから、そ…