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    川崎沼田クリニック

「決めつけ癖」【Judgmentalism】は教わった行動

 
 
いじめ
 

「決めつけ」が悪いことだとは限らない?

SNS上では「決めつけ」がしばしば問題になります。「それってあなたの決めつけですよね?」という批判は、一種の定型句のように使われることすらあります。

別のブログでも示しましたが、近頃ACジャパンのCMで「決めつけ刑事」が登場しています。コミカルに“決めつける人”の姿が描かれています。多くの人が「ああ、こういう人いるな」と苦笑いしたかもしれません。

しかし、ここで一歩踏み込んで考えてみたいのは、「決めつけ癖」は本当に“その人自身の癖”なのでしょうか。もしかするとその癖は、決めつけろと命じられ、覚え込まされてきたものではないか。つまり、「決めつけ」は後天的に“教わった行動”である可能性として捉えます。

支配と煽りの中で「決めつけ方」を学ばされた子どもたち

例えば、親や教師、あるいは周囲の大人たちが「○○ちゃんはこういう子だから」と決めつけてくる環境で育ったとしましょう。「泣き虫だね」「またミスしたの?」「男のくせに」「あなたは手がかかる子だよね」などの言葉が日常的に投げられる場面です。

これらは一見して“評価”に見えますが、実際にはラベリングと同時に行動を縛る支配的な言葉です。そして子どもは、このような大人の態度を模倣することで、「ああ、人は他人をこうやって型にはめて扱えばいいのだ」「先に断定する方が強いのだ」と学び取ってしまいます。

つまり、“決めつけることで自分の位置を守る”という戦略を身につけてしまうのです。

スマホを触るドクター

決めつける人を叱るのではなく、決めつけを「教わった背景」を考える

私たちはつい、「決めつける人=悪い人」と単純化してしまいがちです。しかし本人も気づかぬうちに、「他人をコントロールするには先に断定すること」「弱さを見せる前に攻撃的になること」などを誰かに“仕込まれて”きた人かもしれません。

たとえばSNSで決めつけを連発する人に対して、「またか」「うるさいな」と反応してしまう前に、その発言の奥にある“学習された不安や防衛”を想像してみることは、現代における対人リテラシーのひとつかもしれません。

「決めつけ癖」とのつきあい方

決めつけ癖とは、“支配の言葉を内面化した人”が、その言葉で他者と関わろうとする試みでもあります。決めつける人自身も、過去に同じように決めつけられた被害者であることが多いのです。

だからこそ、「その決めつけはどこで教わったものですか?」と、静かに問い直す姿勢が求められているように思います。攻撃するのではなく、背景にある構造に目を向けること。それが、決めつけ社会の連鎖を断ち切る第一歩になるのではないでしょうか。

 

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川崎沼田クリニック

沼田真一
川崎沼田クリニック 院長
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