ARCHIVE2025年 5月

AIカウンセリングと対面カウンセリングの違い :「会うこと」の意味を考える
「聞いてくれるAI」と「先を見据える医療者」のカウンセリング 最近では、AIと会話しながら自分の悩みを整理する方が増えています。いわゆる「AIカウンセリング」を受ける人が多く見られます。確かに、AIは休まず話を聞いてくれるし、あいづ…

カスタマーハラスメントの対応【接遇教育】
精神科の現場では、いわゆるカスタマーハラスメント(クレーマー)に対しては、患者さんを「加害者にさせない」という観点から、対応の在り方を共有しています。わかりやすく「カスタマーハラスメントから組織を守るにはどうしたらよいか」という方向性を優…

「気難しさ」や「めんどくささ」の奥にあるもの
はじめに 「めんどくさい人」「気難しい人」と言われる様子が。時に自分自身がそう感じられることもあるかもしれません。でも、私たちはその表面的な態度や反応だけを見て判断してしまいがちです。このブログでは、私たちがなぜ気難しくなってしまう…

星1レビューの奥にある「正義」と「ギャラリー」の心理
精神科・メンタルクリニックをめぐる誤解とその背景 私たち精神科・心療内科などのメンタルクリニックに対して、ときおりGoogleレビューで「星1つ」といった強い否定的な評価が寄せられることがあります。その多くは「お勧めしません」と断定…

「ほっとけへんのや」は美学ではない
この項目は関西弁を例として述べていきます。関西の方から見れば「そういう意味じゃない」と捉える想定も前提としていますが、あくまで言葉から来るその人間関係と距離感をわかりやすくするために用いています。今回は読み物としてご覧ください。 「…

口コミに込められる “正しくありたい” 想い
今回はSNSや口コミなどにおける、“伝える衝動”とその奥にある心のしくみについて述べます。 想像で語る「口コミ」が生まれるとき ある場所に行こうと思ったとき、何かを選ぼうとしたとき、その印象を決める手がかりとして、誰かが残した…

不機嫌というハラスメントに振り回されるあなたへ:心の距離を変えるカウンセリングの力
誰かの不機嫌に振り回されていませんか?時に不機嫌はハラスメントとなります。その不機嫌な感情の背景と向き合うカウンセリングの可能性について、心療内科の視点からやさしく解説します。 【はじめに】不機嫌というハラスメント 日常の中で…

「勝手にしやがれ」に見る依存症のこころ : 斜に構えるのはなぜか
向き合う怖さと、斜に構える安心 「壁ぎわに寝がえりうって 背中で聞いている やっぱりお前は出て行くんだな」——これは沢田研二さんの代表曲『勝手にしやがれ』の冒頭に登場する印象的なフレーズです。 愛する人が出ていく気配を察知しな…

【精神科と口コミ】口コミの本質と、精神科での“こころの試着”という体験について考える
精神科に限らず、口コミは「言葉だけ」では伝わらないもの 最近は病院やお店を探すとき、まずネットの口コミを参考にする方が増えています。もちろん、その中に貴重な意見が含まれていることもあります。でも一方で、それが本当に自分にとって参考に…

“伝える衝動”とその奥にある心のしくみ
今回はいつもよりエッセイのようになりますが、人々がことさら「伝えたくなる衝動」に駆られる様子を利用している現在のSNSなどの通信手段のあり方を、照らし合わせていきたいと思います。 ○ 誰のためでもない「正しさ」が生まれるとき …