ARCHIVEnumata_content
ひきこもりの変遷 (後)
ひきこもりの変遷(前)に引き続き、後半は深掘りします。 ひきこもる時の大きな願い そもそもひきこもりとは「自分にはあのようなことはもう起こって欲しくない」と未来への心配をして、その結果少なくともリアルの中で、大衆と持続的な関係…
ひきこもりの変遷(前)
今回はひきこもりと称された流れを、二回に分けて回想していきます。 「社会的」なひきこもりはいま。 いまから十数年前に、「社会的引きこもり」という本がベスト・セラーになりました。この当時の「社会的」という意味は、SNSを初めとし…
行動経済学の応用(2) : その気になれば依存症治療は明るい
前回に引き続きで、今度は依存症治療のこれからについてです。 「その気にさせる」戦略へ : 行動経済学の視点 我々は「行き詰まり」から「変化に向けて動く」は全く未経験な流れではありません。なぜなら日々私たちがいかにモノを買っても…
行動経済学の応用 (前) : 「屈服」で人は動かない。
依存症治療の「底つき体験」 依存症治療の中に「底付き体験」というものがあります。アルコール依存症ならば、「いくら言っても本人が治療に入ろうとしないときは、日常生活がままならなくなり、本人が参ったというまで待つ」というのが一つの戦略に…
復職に際して
学校では夏休みや冬休みの後が最も自殺が多くなります。休み前の辛い出来事が繰り返されることを心配してしまうのでしょう。一方社会人の場合は、学童・生徒とは考え方を変えなければなりません。 今回は職場を休んでいた方が復職する際の不安の流れ…
カジノでギャンブル依存症は増えるのか?治療はできる?川崎市の心療内科医が解説
普段著者が川崎市内で心療内科医として患者様からさまざまなご相談をお受けしておりますが、今回はカジノとギャンブル依存症について解説していきます。 当院の所在地である川崎市内では、「川崎競馬場」がある通り、ギャンブルができる施設が数多く…
大人になってからの虐待の影響
今回は、虐待を受けながら育った人の様子についてです。「あれっ、この人は虐待に苦しんできたかな」と思われる時とはを述べていきます。 「よく考えること」に対する経験不足 まずは物事の決め方にあらわれます。虐待に苦しんできた人は「早…
こころの回復に必要なモノ・妨げになるモノ(後編)
前編で述べたように、そもそも人の動きや考え方に関しては、目に見えたり感じたりする実体だけではなく、「どのような流れでこのようになっているのか」という見方が欠かせません。しかしここで妨げになるのは世間の感覚、つまり常識や良識、当たり前と言う…
こころの回復に必要なモノ・妨げるモノ (前編)
こころの治療には、今まで縛られてきたために経験していないことを新たに「試す」ことで拡がりを作っていく過程が少なからずあります。 特に衝動の病である嗜癖問題(依存症)の回復過程では肝要なことです。対人関係や物事の捉え方に拡がりを持つこ…
阪神タイガースという受け皿
今回はアルコール病棟時代に「阪神タイガース」がいかに患者さんの受け皿になっていたかを、私の研修医時代を振り返りながら述べます。 阪神-巨人戦への想い 「何故かわからないけど、アルコールの人って、阪神の帽子を被っている人が多いん…