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こころ、こんにちはブログ

    川崎沼田クリニック

共依存の推移 (後)

前回はこれまでの共依存を述べました。以後前提がどのように変わってきたかを考察します。

「事後処理」から「事前処理」へ

前述のように元来の共依存は、旧来の女性の「器量」評価に少なくとも影響を受けていると思います。ゆえに酒飲みの夫から脅されて仕方なく行ったことなど一部を除いては、あくまで妻の共依存たる行動は、夫が酒を飲んだ後の「事後処理」でした。

かたや事前にあるのは、「もういい加減飲まないで」という「言葉」が主です。よって「言いきかせるが、守らないので、仕方なく尻拭い」し、妻は眉間に皺を寄せつつ、事後処理を繰り返すという流れです。

ところが、これまで共依存の関係性をもった夫婦や親子を拝見してきて、次第に感じてきたのは「本当に先回りする妻」です。

「リスクヘッジ」としての共依存

近々は情報が昔より取りやすくなった事情か、または私自身が首都圏にいる影響かはわかりかねますが、酒飲みの夫の先を行く妻が増えてきたような気がします。まだ始まっていないことに対しても、後々問題にならないよう「○○しなくていいの !!」などの投げかけを、怒るどころか心配した面持ちで夫に問いかけていることがあります。

もちろんこのような例は過去にも、また地方にもあったでしょう。それはそうとして、このような様子は幼い子どもへの態度です。子どもへのこのような投げかけは、あくまで先に待ち受けるだろうリスクを前もってイメージさせるために、親はこのような促し方をすることもあるでしょう。しかし先々を見る経験をしている大人へ使うと、往々にして非難となります。

しかし時代を経るにつれて、この共依存の「先回り」をする割合が多くなってきているように感じます。ここには現代の情報量の多さ、また特に中央はリスクヘッジを誉れとする傾向の高さ、あるいは当事者の生育歴などから、「先回りすることの妙」への評価が、以前より高まってきているのではないか…と感じています。

このようにアルコールを始めとした衝動統制の病は、病気の型こそ変わりませんが、時代に影響を受けて当事者や家族が引っ掛かるところが変わってきます。従って安易に一般論として型を決めつけず、個別に掘り下げていくことが大切となります。

いじめ 加害者 被害者

(追伸) 夫に対して発達障害の診断を求める妻

ちなみにアルコールではありませんが、このような先回りの例の一つには、夫婦関係のぎくしゃくしてきた流れをもとに、「夫が発達障害ではないかと思って」というケースがあります。

もちろん発達障害のこともあります。しかし時に目が血走っている妻においては、発達障害事象に見合う情報だけを飲み込み、発達障害と決めつけていたりします。よって発達障害ではないといわれてしまうと不服と捉え、発達障害の診断を求めて夫を連れまわすというケースがあります。夫が嫌気を指して酒に行けば、今度はアルコール問題となってしまうこともあります。

このような場合、私は結果的に引っ張りまわされて疲れている夫にお願いしています。「ここは一旦、発達障害かもしれないといわれたということにしておきましょう」と…。

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川崎沼田クリニック

沼田真一
川崎沼田クリニック 院長
神奈川県川崎市川崎区砂子2-11-20 加瀬ビル133 4F