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    川崎沼田クリニック

自傷行為の役割と方向性 (前)

  • 2022
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衝動行為の捉え方

メンタルクリニックは、実際にはメンタルの「症状」や「衝動」で来院する方が多いですが、これはあくまで見える形となり、動機付けが出来た段階と捉えます。

様々な症状や衝動をきっかけとして人間関係などその方に纏わる「悩み」や、ここまでに至る経緯を掘り下げ、同じことを繰り返さない状態を改めて育んでくことになります。

自傷はむしろ気持ちが伝わりやすい衝動行為

その中でも「自傷」という衝動行為は目立つため、自傷行為の有無自体に焦点が行きやすくなり、よってその根底の悩みや背景につなげていくまでに、時間を要すると思われるかもしれません。実際に家族の中では激しく映る自傷の見映え、あるいはおさまる見込みが立たないことに疲れ、むしろ周囲の人の方の無力感や罪悪感に駆られる様子が目立ってくるということもあります。

しかしこのような自傷行為自体を羅針盤として考えると、当事者の葛藤はわかりやすくなることが多いです。なぜなら自傷は個人によって理由が異なることは少なく、概ね激しい叫びと捉えて構わないからです。自傷という見た目の著しさに囚われないことで、むしろ当事者の悩みをとらえやすくなります。

憂鬱 少女

自傷行為の共通項は「安近短」

ここで自傷行為の特徴を簡単に述べるとすると、「手軽に」「早く」「確実に」となるでしょう。自傷行為を考えるきっかけとなった辛さや苦しみを、いち早く拭い去りたいという思いです。それほど、当事者の中では切羽詰まっていると、過去の体験から捉えているのです。

よって自傷による満足度が低いとわかっていても、あるいは衝動行為後に自責感など新たな不都合が襲ってくることが予想されていても、目先の急ハンドルを要するという価値観に捉えられているのです。

傍から見ていると、「そんなことで?」「大げさ」などと解釈されてしまいます。その結果樹当事者は孤立感など新たな理不尽な気持ちが襲ってくることが多々あります。衝動行為というものが、隠れて行うことにつながる由縁です。

(後半は、自傷しなければならないほど緊急案件と考える伏線を説明します)

 

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沼田真一
川崎沼田クリニック 院長
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