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こころ、こんにちはブログ

    川崎沼田クリニック

学校では夏休みや冬休みの後が最も自殺が多くなります。休み前の辛い出来事が繰り返されることを心配してしまうのでしょう。一方社会人の場合は、学童・生徒とは考え方を変えなければなりません。

今回は職場を休んでいた方が復職する際の不安の流れに対し、実体に基づいて紐解いていきます。

職場は特殊な集団。人間関係の構造式が違う

産業メンタルヘルスの三大要因は、以前から変わっておりません。一つは残業や休日出勤などの「業務過多」、二つ目は個人の得手不得手との兼ね合いや適材適所配属に関する「業務相性」の問題、そして「人間関係」にまつわるものです。

確かに休職明けの場合も、学生・生徒と同じように「またあの時と同じようなことが起こるのではないか」という思いから、復職を躊躇することがよくあります。確かに一見ありそうな感覚ですが、実は職場という組織の特徴を見据えていくことが大切です。特に人間関係に悩む人は大きくなりがちです。しかし職場という特殊組織においては、過去と同じようなこと「人間関係」が生じるという不安は、実は優先的に心配はしない方が無難と考えています。

なぜなら職場とは最後は顧客を相手にしています。よって、当事者本人が見える範囲の人間同士が利害を交換している組織では元々ないからです。確かに社内の人間関係などはありますが、上司と部下、あるいは同僚同士などが直接利害を交換してはいません。あくまで職場の対象は顧客を向いて動いています。よって職場の人間関係は、大局的には顧客の方向を見て並列な関係で賄われ、また進んでいると言えます。

理想論といわれるかもしれませんが、顧客に向いていないしがらみや意見は、最終的には認められないという構図がないと、会社組織自体が維持できなくなります。つまりもし顧客に悪影響を及ぼす構造が生じれば、「いつまでも黙って見ていられなくなる」のが職場の関係性です。

家族関係のように「ノンバーバル・コミュケーション」、つまり言葉を使わずに態度で示す状態でコトが運ぶことがいつまでも続くなら、それは顧客の悪影響に繋がるため経営陣が問われてくるでしょう。もちろん実際そのような状況も見受けられるでしょうが、この場合は腹を括って当事者が組織をジャッジするで構わないでしょう。

よって得てして会社という組織内での休職および復職は、次のように考えて頂きたいと思っています。

理解できない

休職は「パーキングエリア」、復職は「本線合流」

会社という特殊組織の性質を考えてみましょう。会社とは家族とも友人同士とも異なり、「顧客に向けて常に動いている」集団です。そこで休職した際における従業員個人とオフィスという間柄は、高速道路とその中にあるパーキングエリアとの関係に例えます。

まず休職の時は当然本線からパーキングエリアの入口で別れて入ります。そして復職の時はその入口に戻るわけではなく、あくまで出口から合流車線を経て本線に戻ります。

ここで大切なことは、その間本線である会社は顧客に向けて進んでいるということです。

従業員個人としては、休職の伏線はあくまでパーキングエリアの入口の前にあります。しかし本線である会社は顧客に向かって常に流れている媒体なので、復職時に合流車線からまた本線である会社組織が見えるときは、休職前のその様子とは大抵は変わっているのです。

このようなこともあり、例えば休職前のあの時と同じ状況がそのまま再現される確率は実際には少ないのです。それよりもむしろ大切なことは、自分がパーキングエリアで休んでいる間に新しく会社に起こっていることが、復職後の自分にも生じるという心配がまだ現実的なのです。

このように復職時には新たな悩みが出てくる確率の方が大きくなります。実際に生じる確率が高いところに目を向けるという観点であれば、復職前の「あの時の再現」より、次の新しい悩みの心配の方がむしろまだ妥当なことが多いでしょう。

世間を回していなかったことによる、自意識過剰に注意

また復職時にわきまえて頂きたいことがもう一つあります。それは「合流車線ではまだ速度が上がっていないので、必ず周囲に抜かされたり、よけられたりする」ことが生じます。これは万人に生じるので、この一時的に「抜かされる」ことにより周りによく思われないのではないかと心配して復職を先延ばしにするという発想がありますが、これはあまり解決の方向に向かわないと思われます。

会社で働いている間は多くは顧客を向いています。よって休職から戻ってきた従業員に眉を潜めることは、復職者本人が思っているほど周りは優先していません。

このように休職者は時が回っていない生活を送っているため、自意識過剰になっていることがあります。休みが長くなればなるほど「復職前の状態で戻れるか」を心配しがちになりますが、「合流時に抜かれることは折込済み」としましょう。誰も毛嫌いはしておりません。また本線に戻ってから少しずつ速度を上げるという前提が、周囲の人から見てもむしろ自然なのです。

よって休職前のことをベースにして、復職時に毛嫌いしたり恥意識を感じることは、妥当性が少ないのです。

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沼田真一
川崎沼田クリニック 院長
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