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こころ、こんにちはブログ

    川崎沼田クリニック

【メンタルクリニックのもう一つの役割】「衝動」について

メンタルクリニックでは、日頃、精神障害・精神疾患などの精神病を日頃診療対象としておりますが、患者様の「衝動」についても診断を行なっております。この記事ではメンタルクリニックではどのように患者様に「衝動」に向き合っているのか、治療を行っているのか?そもそも「衝動とは何なのか?」「原因は何なのか?」を具体的に説明していきます。

「症状」の他に「衝動」も扱う

心療内科・精神科を標榜するメンタルクリニックは、「こころに生じた様々な症状を診る」と考えられますが、実はもう一つ目を向けるべき側面が「衝動」です。
この「症状」と「衝動」の違いは、可視化できるかどうかです。症状は目に見えますが、一方で衝動は現れるのではなく「表れる」ものです。こころを取り扱うには、この衝動の原因を理解することが重要です。

「こだわり」は見えない

こだわり

アルコールや薬物関係の問題など一部の衝動コントロール障害は、可視化できるため疾患として明記されています。しかし現実に感情的な衝動の問題の多くは、症状として現れてくるものではなく、むしろ社会問題として浮かび上がってきます。
時代の流れによって、衝動コントロール障害を発症する原因の変化が目立ちます。近年のよくある原因としてはSNS関係やゲームに対しても強迫行動があるでしょう。また過食や拒食がみられる摂食障害も、食とそれに関わる要素へのこだわりです。摂食障害では低カリウム血症や低蛋白血症に伴う倦怠感など身体症状も含まれますが、その方のこころの状態と背景に主眼をおいていきます。

社会問題と衝動

社会 衝動

衝動コントロール障害は身近な人間関係に潜みます。そして時に社会問題に及びます。
前述でもお伝えしましたが、時代により原因の変化はありますが、例えば各種ハラスメント、家庭内暴力(DV)、児童虐待、いじめ、ストーキングなどの事件は、いずれも原因は、加害者が感情を抑えられないことによる衝動コントロール問題です。重要なことは、これらはいずれも加害者は、「自分気持ち理解してくれない」など以前は被害者だった経験を有する点です。つまり「被害者としての経験が、そのようなつもりもないのに、時を経て加害者側として使ってしまっている」ことが多いのです。
このように人間関係から生じる様々な社会問題の背景には、人間の衝動性を見つめることが無視できません。そしてこの衝動性を見つめることは、実は「自分が欲していること」「自分が我慢していること」「自分が抑えていること」を見つめていくことになります。精神科医では、このような側面・原因に目を向け、患者様の心境を理解しながら治療を行なっていきます。

衝動コントロール障害とそのこころ

衝動のコントロール

衝動性のコントロールの不具合に基づく様々な疾患や社会問題行動には、次のような特徴があります。第一に思考や行動が繰り返されるという「反復性」の側面、第二に方法が限定的で同じパターンを呈するという「執着性」、そしていったん不安に囚われてしまうと頭から離れず、「やらずにはいられない」という「強迫性」という原因です。
この三つの特徴の中で、最もキーポイントとなるものは「強迫性」です。なぜなら「強迫性」とは、「やっても役に立たないことがわかっているのに…」という視点が含まれるからです。よって「いつまでも手を洗わないといられない」(洗浄強迫)、「玄関の鍵を閉めたか、あるいは火を消したかどうか何回も確かめないといられない」(確認強迫) といった強い不安な気持ち、つまり「強迫性障害」という疾患は、実は衝動コントロール障害の側面を持ちます。

強迫は「満たされない思い」から生じる

強迫 原因

なぜ衝動コントロール障害が「強迫性」を帯びるのでしょうか。これはこの衝動コントロール障害は、言い換えると「満たされない欲求」の裏返しと捉えられるからです。
また一見同じには見えませんが、実は「電車が混んでくると、ドキドキする」「不安になってしまう」といった「パニック障害」、「原因は不明だが、いつも吐き気がする」といった「身体表現性障害」も、実は「自分が抑えている欲求」や「我慢」が反映されていることがあります。何らかの要因で、本人がある価値観や考え方にがんじがらめにされてきた背景が考えられるため、必要に応じて紐解いていきます。
このように衝動が関与する疾患や問題は多岐に渡ります。感情的にならず、まず「なぜ自分はこのような気持ちになってしまうのか」と症状と併せて冷静に目を向ける必要があります。
「どうしても自分自身で解決できなさそう」と不安な気持ちがあれば、周りの知人・友人に相談するか、お近くの精神科医での治療も少し考えてみても良さそうです。

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川崎沼田クリニック

沼田真一
川崎沼田クリニック 院長
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