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    川崎沼田クリニック

「いじめが陰湿さを必要とするわけ」を解説

コーヒーカップ 2つ

「人をいじめる人はどのような感情なのか」「なぜそのような行動を起こすのか」気になる方は多くいらっしゃると思われます。
いじめはさまざまな場所で年齢関係なく行われます。仕事場や、学校などが例にあげられます。
職場では「同僚」や「上司」、学校では「友達」、時には「先生」までもがいじめに加担することもあります。それらはどれも「陰湿」です。

昨今では、北海道 旭川のいじめの件のような大変心痛むような事件もありました。

また、モラハラと言う言葉がありますが、これもまたいじめの一種でしょう。
※特に大人による

この記事では「なぜいじめは陰湿なのか?」を心療内科(精神科・メンタルクリニック)の院長が専門的な知識も踏まえながら簡単に解説していきます。

陰湿の意味は一体何?

「暗くてじめじめしていること。陰気で晴れ晴れしないこと。また、そのさま。「—な土地」「—ないたずら」

https://www.weblio.jp/content/%E9%99%B0%E6%B9%BF

ちなみに英語では、spitefulやmaliciousと言うようです。

上記が主に陰湿(いんしつ)の意味ですが、一般的には以下のような例文のように人の性格に関連して使用されることが多いです。

  • 「陰口・悪口を言ったり、陰で人の嫌がることをする人」
  • 「他人をいじめる人」

いじめを行う理由について

いじめ

最近は気難しいコミュニケーションとして、「マウンティング」という言葉も出てきました。どうもマウンティングとは「笑いながら相手を殴る」と例えられるようです。その根元は、やはり「いじめ」でしょう。子供でも大人になっても、いじめというコミュニケーション・ツールを使わざるを得ない衝動ははびこっています。

今回はいじめとは何なのか?どのようなところに由来しているかを考えていきます。

いじめは一方通行を欲する

一方通行 標識

いじめコミュニケーションには、二つの衝動の側面があると考えています。一つは、いじめの加害者側が「自分の意見をそのまま通したい」という衝動です。これは意見のやり取りから物事は成就することは少ないという思い込みです。もう一ついじめの加害者側に必要とされる条件は、そのコミュニケーションが「一方通行」で収束することです。つまりいじめが「陰湿」な理由は、いじめの加害者がこの一方通行的に「自分の要求を通したい」衝動に駆られるからです。

本来コミュニケーションとは何に関しても「折り合い」で成立するため、その場や互いの意見をすり合わせて展開をはかっていくことが妥当な流れです。しかしいじめの加害者側には、このようなやり取りのコミュニケーションの中で、かつ自分の意見が結果に反映されていくという可能性を大変低く見積もっています。つまり自分の意見痛いして「いいね!」と肯定してくれる人はおらず、双方向のやり取りでは、自分の意見は通らないと思い込んでいます。

よって、いじめの加害者は、意見を貫こうとする際に、相手に反論されないという条件を必要としています。つまり伝える相手が「黙って受け入れる」という状況でなければ、自分の意見が十分通ることはないという思い込みをしているのです。その背景は、成育環境や家族関係が関与していると考えざるを得ません。

いじめはある意味スキル

状況の違い

いじめはある意味「巧み」なコミュニケーション・スキルとも言えます。何事にも「絶対に相手に反論させずに、相手に要求を受け入れさせる」という流れを持つからです。前述した「笑顔で殴りあうコミュニケーション」であるマウンティングも、言われた側が憤って加害者側に直談判されては元も子もありません。相手が自分が仕掛けたマウンティングに気付き、かつ相手側が表立って取り上げることがなく受け入れてもらえなければならない。これがマウンティングを含めた、いわばいじめコミュニケーションです。

そのような気難しくかつ巧みなコミュニケーション・テクニックは、加害者側が直接あるいは間接的に経験していないと、自分が使いこなせるスキルには育たないのです。

加害者は被害者の体験をもつ

いじめ 加害者 被害者

前述のようにコミュニケーションは見えないスキルなので、こと経験していないものは使いこなせません。よって、このようないじめコミュニケーション・スキルを獲得する前提を慮れば、いじめ加害者には被虐待経験が影響しているものと考えざるを得ません。

その虐待体験の大きな要素は、「理不尽なことを黙って受け入れざるを得ない」という体験でしょう。親の理不尽な物言いに反論すれば、さらに不都合が生じると子供は連想するため、納得しないまま親の姿を受け入れる。そのような体験を繰り返しているうちに、社会でも「相手と折り合いをつけることにより、次の指針が決まる」という感覚が身に付きません。ここに前述した「双方向のコミュニケーション」を信じられない布石があります。

このような家族間コミュニケーションの影響により、いじめの加害者は「反論されること自体が、既に自分の意見が通らなくなること」と過剰に結びつけています。よってどうしても自分の意見を通すためには、「相手が反論せずに黙って受け入れてくれる」状況に持っていく必要があると考えざるをと得ません。その結果、「陰湿」と言われるコミュニケーションになっていきます。

陰湿なやり方を生み出す理由

謝罪

いじめの加害者が陰湿なやり方を生み出す理由は「謝罪」と「お伺い」の二つが信じられなくなっているからです。彼らは親に対して「謝ったら許される」という経験がありません。「謝っても許されない」「謝れば嫌なことで償わなければならない」と考えるため、「謝罪は負け」となり、陰湿なやり方が生まれます。

もう一つ、相手に「お伺いを立てる」も信じにくい傾向があります。相手に出方を選択させることは、自分の意見が通らないものと早合点してしまっているためです。

このような「謝らない人」と「お伺いを立てられない人」は、直接的なやりとりは自分が蝕まれる方向に進むと考えるため、おのずと一見気難しく面倒な方法をとります。これを日本語では陰湿という言葉になるのでしょう。

繰り返しになりますが「陰湿」とは、「滑らかに伝えることで物事が通じる」を信じられない人が用いらざるを得ない、傍から見ると不必要で不器用な方法です。オーラルコミュニケーションの場合は、最初から強い口調を使う、眉間にしわを寄せながら話すがあります。また口頭自体自分の意見が通らないと過剰に考えている場合は、近くの人にもわざわざメモや社内メールを使って用件を伝えるなど、必要以上に文面を使うことがあげられます。

これらはいずれも「返り討ち」を過剰に心配し、「一方通行でなければ、私は貶められる」「決して意見は言わせない」「言わせてしまったら私の負け」という、ある意味強い勘違いに基づいた行動なのです。

いじめる人は大変怖がっている

怖がっている人

このようにいじめの加害者には、いじめという手段を使わざるを得なければならない事情があります。よっていじめる相手は、そもそも反論しないだろう相手を狙い、反論させないようなメモを使って、一方通行のやり方を維持しようと試みざるを得ません。

しかし、いじめの加害者は様々な状況を怖がっています。よって「一方的に受け入れろ」といういじめツールが来たら、相手の背景を覗き見るようにしてみましょう。いじめの加害者は、あなたより確実に「直接的なやり取り」が苦手で怖がっている方です。
学校の友人や仕事場の同僚や上司の中でもそういった「人をいじめる」人はいると思いますが、そのような人たちにはこのような感情で接してみてはいかがですか?

「あなたはきっと親から虐待を受けて来たのね」と。

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沼田真一
川崎沼田クリニック 院長
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