CATEGORYトラウマ

ひきこもりの変遷(前)
今回はひきこもりと称された流れを、二回に分けて回想していきます。 「社会的」なひきこもりはいま。 いまから十数年前に、「社会的引きこもり」という本がベスト・セラーになりました。この当時の「社会的」という意味は、SNSを初めとし…

大人になってからの虐待の影響
今回は、虐待を受けながら育った人の様子についてです。「あれっ、この人は虐待に苦しんできたかな」と思われる時とはを述べていきます。 「よく考えること」に対する経験不足 まずは物事の決め方にあらわれます。虐待に苦しんできた人は「早…

こころの回復に必要なモノ・妨げになるモノ(後編)
前編で述べたように、そもそも人の動きや考え方に関しては、目に見えたり感じたりする実体だけではなく、「どのような流れでこのようになっているのか」という見方が欠かせません。しかしここで妨げになるのは世間の感覚、つまり常識や良識、当たり前と言う…

こころの回復に必要なモノ・妨げるモノ (前編)
こころの治療には、今まで縛られてきたために経験していないことを新たに「試す」ことで拡がりを作っていく過程が少なからずあります。 特に衝動の病である嗜癖問題(依存症)の回復過程では肝要なことです。対人関係や物事の捉え方に拡がりを持つこ…

DVによる後遺症について心療内科医が解説していきます
まず初めに夫やパートナーなどの相手からDVを受けている場合、知人やお近くの心療内科医などに相談されることをお勧めします。 ドメスティック・バイオレンス(DV)とは(男女共同参画局) 本題に入ります。配偶者暴力(DV)とは、配偶…

ゲーム嗜癖の特徴~他の嗜癖対象との違い
ゲームへの嗜癖 前述の通り、ゲームへの嗜癖が正式病名になる機運です。しかしゲームは独自の嗜癖的特徴があるかと思います。 現代のゲームの場合、依存に至るまでの背景にはネットが欠かせないと思います。そしてこのネットがあるからこそ、…

メンタルクリニックの薬と服薬の立ち位置
本日は心療内科・メンタルクリニックでのお薬の位置づけについて、日頃の診療・治療で患者さんに説明していることを紹介していきます。 まずは「海に浮いている状態」をイメージする 心療内科・メンタルクリニックの診療の際によく「どのよう…

神経症の治療 : 職場の人間関係
今回のキーワードは「不安は偏りから生じる」「トラウマ(過去の影響)」などです。 「その問題はまた起こるか?」…神経症という強迫思考 今回は少々堅い話から入りますが、いわゆる神経症とは、脳のバイアスに基づくものです…

【ハラスメントへの過剰反応】身近に起こる心理的トラウマ再体験反応
本日は人間関係やあらゆるハラスメントに苦しんでいる読者様に向けて複雑性PTSD、再体験反応の対策を一緒に考えていきます。 多様化した昨今の社会の中では、人間関係によるストレスは増えてきて、多くの方が心理的な症状を抱えてらっしゃるの…

PTSD再考(3) : PTSDの明文化されない臨床上の特徴
今回はPTSD 診断基準で誤解を受けるポイントを示します。 診断の流行と、実際の臨床上のポイントの違い 皆さんの主なイメージとは異なるところもあるかもしれませんが、精神科・心療内科領域でも、心理検査や画像材料など可視化できる…