こころの治療には、今まで縛られてきたために経験していないことを新たに「試す」ことで拡がりを作っていく過程が少なからずあります。 特に衝動の病である嗜癖問題(依存症)の回復過程では肝要なことです。対人関係や物事の捉え方に拡がりを持つこ…
今回はアルコール病棟時代に「阪神タイガース」がいかに患者さんの受け皿になっていたかを、私の研修医時代を振り返りながら述べます。 阪神-巨人戦への想い 「何故かわからないけど、アルコールの人って、阪神の帽子を被っている人が多いん…
今回は適応障害の原点である「神経症」という概念について要点を述べてみます。 神経性は個体ではなく、周囲や他者との「関係性」が焦点となる疾患です。 前提 : 「学んだことは、使いたくなる」という怖さ 昔から一般的にも使われ…
ことばの独り歩き こころの分野はどうしても広くなることもあり、いまも昔も様々な一般本の題材となります。よって流行語というのも出てきます。特に人間関係に関するワードは多くみられます。時々ワードのインパクト重視になり、その意味の嚙み砕き…
仕事においても、恋愛においても、家族においても人間関係というのは頻繁に感情を揺さぶります。人間関係において何一つ悩みがないという方はいないのではないでしょうか?特にいわゆる「苦手な人」に対してはどのように接して良いのかがわからなくなります…
今回は、家族という閉塞空間だからこそ通用するやり取りについて述べます。家族で問題ないと思った言い回しを無意識に他人に行うことで、ハラスメントなどあつれきにつながっています。 「どうしてそういうことするの?」という言い回し 以前…
今回は「DVと共依存」について、事例を深層心理を交えて述べます。 「それで済むと思ってんの?」と、延々と責め続ける妻の心理 夫婦のやりとりでよく起こりがちで、かつ注目すべきひとつに「むし返し」があります。文字通り「過去のほじく…
まず初めに夫やパートナーなどの相手からDVを受けている場合、知人やお近くの心療内科医などに相談されることをお勧めします。 ドメスティック・バイオレンス(DV)とは(男女共同参画局) 本題に入ります。配偶者暴力(DV)とは、配偶…
コロナ渦のディスコミュニケーション コロナが世に出てきた当初、「コロナが怖い」で思い浮かぶ対象は「感染」でした。 確かに今春の緊急事態宣言前はそのようでした。しかし実際に緊急事態宣言に入り、人々の往来が少なくなると、「コロナが…
本日は「HSP」「アダルトチルドレン」「毒親」「PTSD」「発達障害」など、メンタルヘルスや心理に関わる用語の流行語化についての見解です。 精神医療流行語に対する憂い 精神科医療では、時代により流行る言葉が出てきます。本来専門…